COEL工場見学
∼米富繊維株式会社編∼

山形県に創業した創業70年のニットメーカー米冨繊維株式会社。
2023 Winter Collectionにて発売された2型のニットをこちらの工場で製作いただきました。

老舗メーカーならではのノウハウが詰まった、これぞメイドインジャパンの製品作りについて、工程をレポートいたします! 



編み立て

米冨繊維のニットは複雑で他にはない編地が特徴ですが、特殊な機械があるわけでは無く、どちらかというと古い機械が多いのです。
これまで培った柄組みのノウハウや素材の組み合わせなどの応用で製作しています。
よく米冨繊維にしかない機械があるのではないかと言われるそうですが、機械ではなく50年近く積み重ねてきた技術の開発や継承によって実現しています。

柄組み

他社に比べ時間をかけている、パソコンで柄をプログラムする柄組みという工程です。
編地のパターンは40年分のアーカイブがあり、このプログラムをもとに試作→修正を繰り返して作ります。
その為、複雑なプログラムで他にない柄や編地のニットを作ることが出来るのです。

ニットには、カットと成形の2種類の縫製方法があります。

カット縫製

一般的な布帛の縫製と同じく、四角く編まれたニット生地に型紙をあて裁断をします。
下蒸しという、編まれて端がくるっとなった生地をまっすぐにする工程を経た後に、ロックミシンを使い、縫い合わせる製法です。

リンキング

生地にハサミを入れず、糸も無駄なく効率的に使用する事が出来る製法です。
袖・身頃などパーツごとに編まれたものを接合(リンキング)し、手作業で編地を機械の針に刺していく非常に手間のかかる方法。こちらは、縫い代ができないため、肌あたりよく仕上がります。
最後まで点検は抜かりなく、傷や穴が無いかをライトに袖・身頃など全て通して一つ一つ確認します。
また、編み違えたニットは解いて再利用するので、無駄が生じません。

2023 Winter Collectionで製作した米富繊維のニットは、シンプルながら細かい編み柄の表情や温かみを楽しめるアイテムに仕上がりました。
トレンド関係なく、長く愛用できる理由には高い品質と着心地の良さがあります。お客様の思い出と共に大切にしたくなるニットとなることを願っています♡